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Comments

1. 小野瀬 さん
[2017/08/02 05:50:00 JST(UTC+09:00)]

「自由なキミへ」解説
正直「いいな」と思いました。
最近子供ができて物の見方が変わったのでしょう。作者のことは高校時代から知っていますが、子供ができ一家の長となるとここまで変わるのか!と感心せざるを得ません。
未来からの手紙という設定になっていますが、細かい設定をいったん忘れて父から子への手紙として読むとなおさらその子に対する愛が感じられて良いです。初めて読んだときは「本当に降旗が書いたのか?」と思いました。降旗の人間としての成長を感じられ、昔からの友人として嬉しいようなどこか寂しいような、そんな不思議な気持ちになりました。
これを読んで「彼の頭の中の世界をもっと覗いてみたいな」と、友人だからこそ直接はとても言えないような、そんな感想を抱きました。とても良いと思います。

2. 小野瀬 さん
[2017/08/02 05:56:00 JST(UTC+09:00)]

「量子の導き」解説
川端康成の名作・雪国の冒頭は以下のように始まります。

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トンネルを抜けるとそこは雪国だった。
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この一文だけで情景がありありとイメージできます。ああ、この人は乗り物に乗っていて、寒い時期に雪のある場所へ移動したんだな。いったい何をしにそこへ行ったのだろう?雪国で何が起こるのだろう?…一文で状況の説明と今後への期待を膨らませる、まさに名人芸と言えるすばらしい冒頭です。

対してこちらの作品の冒頭を見てみましょう。

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それはリアルな夢だった。
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はい、なんのこっちゃかさっぱりわからない。
「あ、このパターンね。サブカル系のタイムリープものの影響を受けた内容のない気取ったやつだ」と思わざるをえませんでした。そして内容もすっかりその通り。これあれ?シュタインズゲートの解像度めちゃくちゃ低くしたコピー?それとも僕だけがいない街?どっちだろう…ということばかりが気になり内容が入ってきませんでした。なのでもう一回読みました。でもやっぱりわかりませんでした。

3. 小野瀬 さん
[2017/08/02 05:56:10 JST(UTC+09:00)]

こういうものを読むときの僕の楽しみ方の一つは「どういう考えでこの人はこれを書いたんだろう」と考えることです。国語の問題でもおなじみですね。「作者の気持ちを答えよ」というやつ。僕はそれが得意でした。そしてこれの答えはこうです。「どうだい、俺ってこんなの考えられるんだぜ?頭いいだろう」です。
彼は進学校で部活と勉強と頑張りましたが、どちらも「うん、まあまあいいね」くらいのレベルでした。個人的には「色々頑張ってたなー」と思っているのですが、おそらく本人的には満足しきれない部分があったのでしょう。他の人が手を出さない場所でその劣等感を払拭する癖がありました。
大学時代に一度家に泊まりに行ったのですが、その傾向は悪化の一途をたどっていました。本棚に並ぶ本は「NHKへようこそ!」「ねじまきカギュー」などで、いわゆるサブカルに寄ったものが目立つラインナップ。人が知らないものを知っているということで自分のアイデンティティを確立していたのでしょう。
そうなるとあとはなんとなく想像できます。世間(といっても2chまとめとTwitter)で評価の高い…いや、通っぽい人が通っぽいことをいってるものに手を出すようになり、アニメの解説版のまとめなどを見て日々を過ごしていたのでしょう。そこでどんどん口ばかりが達者になり、周りから「お前小説書けんじゃね?」と言われその気になって書いてみた。そして分かりにくいという感想をもらって「分かりにくい?君達には少し早かったかな…ププ」とほくそ笑んでいる。まあそんなところでしょう。

4. 小野瀬 さん
[2017/08/02 05:56:20 JST(UTC+09:00)]

指摘したい部分を細かくあげると項目が広辞苑並分厚くになってしまうので今回は省略しますが、なにより気になったのは登場人物同士の会話です。
例を挙げてみましょう。

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「お前はこれから英語がんばんなきゃな」
「ほんとマジでそうなんだよな。英語が一番苦手」
「いまどき珍しいよな、英語が苦手なんて。ただの得点源なのに」
「翻訳機にかける手間がちょっと面倒なくらいで日常ではまったく困んないけどな。というかそもそも、言語を統一する意味あるのかな」
「そんなことを言ってるのはこの地球上で友樹くらいだろ。ちょっとネットで検索すればいくらでも統一するメリットが出てくるじゃん」
「まあそうなんだけど」
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僕はこれを読んだとき「こいつ普段会話できてんのかな?」と感じました。
人間味が全くありません。Siriのほうがもっと人間味があります。いや、エクセルアシスタントのカイルくんのほうが味のある会話してました。

僕は小説に限らず物語に必要なのは「世界観」「キャラクター」「ストーリー」そしてそれら全てを使って単純な言葉だけでは伝えられない「鉄学・テーマ」を伝えるものと考えています。今回はどこから読んでも「ん?」と立ち止まる箇所しかなく、テーマもクソもあったもんじゃありません。「何が言いたかったの?」というより先に「これは一体何だったの?」という感想を持つ、類まれなる残念作と言えるでしょう。
もし伝えたいことが「『俺って頭がいいだろう』と作者は思っている」で、それを伝えるためにこの構成にしたのだとしたらこの作品は完璧です。前述の道においてこの作品の右に出るものはありません。天才です。

5. 小野瀬 さん
[2017/08/02 05:56:30 JST(UTC+09:00)]

ちなみに、小説とは異なりますが作品を作る上でどのようなことを考えているかについては「ジョジョの奇妙な冒険」でおなじみ荒木飛呂彦先生が非常に分かりやすい本を出しています。僕自身特に漫画を描きたいと思って買ったわけではなかったのですが、「ジョジョはこういうところをここまで掘り下げて書いていたのか!」という新しい発見が目白押しの一冊でした。
作者のこだわりを少しでも知ると、芸術はまた新しい見方ができるようになります。降旗くんのように変に知識でものをみるようなうがった偏屈者精神をもたなければ、知識が足かせになって純粋に芸術を楽しめなくなるということはないでしょう。興味がある方はぜひ以下のリンクからご購入ください。おすすめの一冊です。
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6. 小野瀬 さん
[2017/08/02 06:00:00 JST(UTC+09:00)]

「ひとり」解説
「頭が良いことがばれちゃったか…頭良すぎてみんなひいちゃった?じゃあユーモアのあるというところをみせてやろう!」
以上が作者の言いたいことです。この流れでコメディーが来た時点でその意図がはっきりと伝わりました。なので読んでいません。

さて!コメディ…お笑いというジャンルで言えばやはりギャグ漫画の存在を忘れてはなりません。
かくいう私はギャグ漫画が大好きでして、主要な週刊誌のギャグ漫画のみならず雑誌のちょっとした四コマ漫画やWEBの四コマにも目がありません。
そのなかでも僕が本当に好き…だけど意外と知名度が低い漫画、今回はそんな僕お気に入り漫画「食べれません」を紹介します。

四コマという限られたコマ数のなかで「どうしてそんな馬鹿なのこいつは?」という急角度のボケが積み込まれており、かつそのボケがやけに日常的という絶妙なバランスが取れているため読んでいて飽きることがありません。全能の神ゼウスが「俺中2で数学完全に捨ててんだ」と言う四コマを見たときは衝撃…いや、笑撃でした。これがもし「数学赤点しか取ったことないんだ」だとまた違う、「大学浪人したことあるんだ」でもまた違う。「俺中2で数学完全に捨ててんだ」この絶妙なリアル感たるや!絶対ゼウスそんなこと言わないけどー!
一通り笑った後、「この作者はセンスの塊としかいえないな」と感心をするほどでした。

残念ながら作者の風間やんわり先生はお亡くなりになっているのですが、彼の残した作品は間違いなく名作です。
忙しい日常のガス抜きにおすすめな作品です。
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7. Fully Hatter さん
[2017/08/02 07:12:00 JST(UTC+09:00)]

ねじまきカギューは好きだけど、NHKへようこそ!は知らんぞ笑

8. 小野瀬 さん
[2017/08/02 10:42:00 JST(UTC+09:00)]

なんでお前の本棚正確に覚えてなきゃなんねえんだよ世の中で一番いらねえ情報じゃねえか。適当に決まってるだろ!

9. 高原 さん
[2017/08/02 18:05:00 JST(UTC+09:00)]

俺もちょっとだけ言いたいことがある!
「ひとり」と「幼児の苦悩」をコメディとして認識できなかったのは俺だけ?

10. Fully Hatter さん
[2017/08/02 18:29:00 JST(UTC+09:00)]

>> 高原
読んでくれてありがとう!
書いたあとに後づけで分類してるから、ジャンルはかなりてきとーなのよねw

ジャンルを変えるとしたらなに?

11. 小野瀬 さん
[2017/08/02 18:41:00 JST(UTC+09:00)]

ジャンルは「残念賞」でいいんじゃない?

12. 偽名 さん
[2019/12/25 22:01:05 JST(UTC+09:00)]

いきなりですみませんが、Fully Hatterさんって、嫌いな方は居るのですか?

13. Fully Hatter さん
[2019/12/25 22:38:46 JST(UTC+09:00)]

> 偽名 さん
いますよ。
ただ、もうそういう人と関わる機会はかなり少なくなりました。
嫌いな人がいる環境にはなるべく近づかないようにしているので。

嫌いな人と定期的に会わなければならない環境は地獄ですね。
わたしはその地獄を何度か (小学生時代に 2度、社会人になってからは無数に) 経験しましたが、もう経験しなくてもいいかな、と思っています笑

幸い、今はある程度何でも「選べる」地位を確立しつつあるので、とても幸せな毎日を過ごしています。

14. 偽名 さん
[2019/12/25 23:29:28 JST(UTC+09:00)]

人生相談になってしまうかもしれませんが、ささやかに過ごすためにはどうすれば良いと思いますか?

15. Fully Hatter さん
[2019/12/26 00:09:11 JST(UTC+09:00)]

> 偽名 さん
極めて難しい問題だと思います。
どんなに頑張ったとしても、少し状況が変わるだけでガラリと世界は変わりますからね。

わたしは今現在はささやかに過ごすことができていますが、今の状況がずっと続くとは全く思っていません。

ちなみに、わたしが心がけていることは以下です。
・日々小さな「幸せ」を見つけること
・自分のすべてを肯定的に捉えること
・自分にプラスになることを毎日実践すること
・友だちなど、人との交流を大切にすること
・運がいい人の近くにいること
・ある程度の経済的な自由を手に入れること

16. あっちゃん さん
[2020/07/06 08:45:09 JST(UTC+09:00)]

「量子の導き」拝読して、とても素晴らしいと感じました。

なぜ素晴らしいと思ったかというと、一見SFチックな話の中に、私は、「創」という人物が、自分の過去と真摯に向き合い、「創(きず)」つきながらも新しい過去を「創(そう)」造しようという物語を読み取ったからです。

喪った両親を取り戻せない絶望感に心を打ち砕かれながらも、友樹という友人のために、そして画一化されゆくある世界に抗うために、身を呈して過去を変える力を発動させようとする「創」というキャラクターの姿に、純粋に心が打たれました。

これからもぜひ、創作を続けてくださると嬉しいです。

17. Fully Hatter さん
[2020/07/06 23:04:10 JST(UTC+09:00)]

> あっちゃん さん
ありがとうございます!
小説チックなのは称賛よりも批判が集まりやすくてあんまりモチベーションが湧かないですが、もしあっちゃんさん以外のファンが何人か集まってきたらまた書いてみようと思います笑

18. あっちゃん さん
[2020/07/08 17:48:01 JST(UTC+09:00)]

> Fully Hatterさん 

>あんまりモチベーションが湧かない
なんか、残念です。

可能性の芽を摘んでしまうのは勿体無いと思っている読者がいた、くらいのことを頭の片隅に入れておいていただければ嬉しいです。それこそ、このコメントがいつかなんかの役に立ったらいいな、みたいな感じで。

気づいたらわたし勿体無いばかり言ってますね(笑)

大変お邪魔しました。

19. Fully Hatter さん
[2020/07/08 18:11:19 JST(UTC+09:00)]

> あっちゃん さん
本業や趣味や家族の時間の優先順位が高めで、あまりこっちに時間を割けず申し訳ありません。
わたしは単純な性格なので、絶賛する人が増えてきたらどんどん書くと思います笑

20. ごはんたくぞう さん
[2020/11/08 05:00:35 JST(UTC+09:00)]

親愛なる Fully Hatter さま

メルマガありがとうございました。
そういう説・考え方があるのかと、とても興味深く読ませて頂きました。
タダでいいのでしょうか?しかるべき対価を提示されても払える自信はありませんが。

自分自身、精神病になったことが何度かあります。高3の春から半年、大1の1年間、M1からM2にかけて1年間。社会人になってからも数年に一度。進学・就職・昇進がかかった時期に精神病になってきました。病院に行ってCT撮っても異常なし。心配事を聞かれ、薬を出してもらっておしまい。

精神病があるかないかで言うと、僕はあると思ってます。「脳内物質と脳波のバランスが悪くなっている」と捉えている(そう割り切っている)。脳内物質と脳波の種類は割愛します。精神病の分類にも触れない。専門家じゃないので。薬は、効果はそれなりあるけど、副作用がある。薬のために病院に通う気にはならない。

薬を飲まずに治す方法、経験的に身につけました。
・寝る。
・運動する。
・日光を浴びる。
・音楽を聴く。歌う。
・笑う。笑わせる。

秘密の部屋、「今を生きるためのちょっとしたヒント」に書かれていることは、本当にその通りと思います。Fully Hatterさんからコメント頂いてから、人生が変わった気がしています。ありがとうございました。


精神病にまつわるドン引きしそうな実話を紹介します。
・父方の大叔父(戦死した祖父の弟)は戦前の精神病院で突然死。
・父は精神病で高校中退。
・僕が盆休みの帰省中に父が自殺未遂。 ※恐らく父は何度もやってる
・父は亡くなるひと月前、母に心中を持ちかけた。母は断った。
・甥(姉の長男)が精神病で高2の2学期から登校拒否。幻覚、幻聴、対人恐怖。高校中退。
・甥の登校拒否・中退が原因で姉が精神病になり首吊り自殺。
・義兄も精神病。薬漬け。何故か姉の自殺後に白髪が黒髪に戻りつつある。
・母は姉の代わりとして義兄家に同居中。

21. Fully Hatter さん
[2020/11/08 09:36:24 JST(UTC+09:00)]

> ごはんたくぞう さん
お褒めの言葉をありがとうございます。
このメルマガは無償提供ですのでご安心を笑

わたし自身も、精神病なるものはおそらくは存在するのだと思います。
ただ、現代の「精神病」のラベルにはなんの根拠もなく、その本質を何も捉えていませんよ、という主張でした。

精神病には遺伝的な要素も (かなりの程度) あるので、ごはんたくぞうさんのような境遇の方は他にも多数いらっしゃるのであろうと想像します。

22. guitar さん
[2021/03/10 16:01:00 JST(UTC+09:00)]

いつもTwitterやサイトを拝見しております。
昨日の哲学対談も楽しく聴かせていただきました。

最後の方で「なぜ万引きをしてはいけないのかがわからなくて倫理を勉強して落とし込んだ」というような話をされていたと思うのですが、私もなぜ万引きをしてはいけないのかがわからなくなってしまいました。
自分の今の答えとしては「自分がルールを破ることで他の人も破っているのではないかと疑ってしまうから」なのですが、既に破っている/疑っている人にこの答えを見せても効果がないように思えます。

ふりまこさんはどうやって自分を説得させましたか?またその答えに辿り着く手段として参考にした本などはありますか?

そしてこれからも更新を楽しみにしております。

23. Fully Hatter さん
[2021/03/11 18:47:59 JST(UTC+09:00)]

> guitar さん
ご質問ありがとうございます。
以下の哲学LIVE対談(第二弾) の終盤あたりでのお話ですね。
https://stand.fm/episodes/60476e7d75ee116b58bc557a

多くの善良な皆さまには想像も出来ないかもしれませんが、実は、万引きをしてはならないことを示すのはなかなかに難しいことです。
万引きという行為には明らかな金銭的メリットがあり、もしそれが絶対にバレないのであれば、もはや万引きをしない理由がないからです。

わたしの論拠はわたし自身を論破するための論理ですので、この世のすべての人に適用できる類のものではありませんが、ご参考までにその思考の流れを以下にまとめてみます。


■ 万引きをしてはいけないことの証明
まず、わたしにとって万引きという行為のモチベーションは金銭的なメリットに限ります。
たとえば 100円のチョコの万引きは、わたしにとっては 100円分の金銭的価値を手に入れるための行為になります。
(万引き常習犯の中には、お金ではなく刺激を得るために万引きを繰り返してしまう方もいるようですね)

よってわたしは、万引きをすることで手に入る金銭的なメリットを超えるデメリットをわたし自身に示すことができればミッション達成となります。

わたしが発見したデメリットは「万引きをすると 100% 絶対に捕まる」です。

万引きに限らず多くの犯罪について、初犯が最も高いハードルとなります。
人は、初めて挑戦することには心理的な抵抗がありますが、1度でもそれを経験すれば、2回目以降は比較的容易に実行できるようになります。

わたしは、一度でも味を占めると再現なくその恩恵をしゃぶり尽くすタイプなので、わたしにとって 1度の万引きは、それ以降の無限の万引きの実行を決定づけます。

そして、どんなに凄腕のマジシャンでもマジックに失敗することがあるように、100% 成功する犯罪などはこの世に存在しません。
もしかしたら隠しカメラでバレるかもしれませんし、万引きGメンにたまたま目をつけられるかもしれませんし、盗んだ商品にこっそりチップが仕込まれている可能性もゼロではありません。

たとえバレる可能性が 0.1% だったとしても、わたしはそれを無限に繰り返すので、バレる確率はいずれ 100% に限りなく近似します。

上記の理由から、お金ごときのために自分が犯罪者になるのはバカらしいので、わたしは万引きはしないことにしています。


■ 万引きをしてもよい条件について
上記の論拠に従うと、犯罪者になってしまうデメリットをはるかに上回るメリットがある場合には、万引きは正当化されます。

たとえば、今にも餓死をしそうな状態で手持ちのお金が一切なく、いま目の前のコンビニのパンを盗まなければ死ぬ、というような状態においては、万引きという行為は正当化されると考えます。


■ 蛇足 (論理の限界について)
上記でいろいろと屁理屈を並べてみましたが、実は、この論拠にはほとんど意味はありません。
なぜならば、同じように論理を積み上げることで「万引きはしてもよい」という結論を導くことも容易だからです。

この世にはほとんど確かなことがないので、「〇〇は正しいか?」といった類の命題には大抵の場合意味はありません。
それが正しいとしても、間違っているとしても、どちらの側でも完璧な論理を組み立てることは可能だからです。

ライブ対談でわたしがお話した内容にも近いですが、重要なのは「万引きはしてはいけないのか?」という問いの答えではなく、「万引きはしてはいけない」と「万引きはしてもよい」のどちらを信じるか、という信仰の問題なのだと思います。

わたしは万引きはしませんが、個人的には、万引きが合法な社会も十分に実現可能だと思います。
万引きとは、それができてしまうような欠陥のある売買システムを構築した店側の責任であり、万引きの加害者はむしろお店側である、という解釈も十分に成立すると思うからです。(もちろん、その解釈の社会的な合意を事前に得る必要はありますが)

24. Fully Hatter さん
[2021/03/11 19:28:13 JST(UTC+09:00)]

あ、倫理の話と参考にした本の話に触れていませんでした。

いま見返してみると、万引きの是非のくだりに倫理学の知見や本の知識はあまり生きていないですね(笑)
強いて言うならば、倫理学の功利主義という考え方や確率論、カードマジックの技術などが若干参考になっている気はします。

倫理学は、社会全体はどうあるべきか、という話になりがちで、個別具体的な自分自身の価値判断の根拠にはならない場合が多いんですよね。
社会全体としてこうあるべき、という話と、各個人がそのルールに従うべき、という話はまったく違う次元のお話なので。

25. guitar さん
[2021/03/13 15:00:45 JST(UTC+09:00)]

回答ありがとうございます。

「万引きはしてはいけない」と「万引きはしてもよい」のどちらを信じるか、という信仰の問題。

というところが凄く大事で「してもよい」という信仰の人を止めるには具体的なデメリットを提示しなくてはいけませんよね。
味を示すと繰り返してしまうから結局100%バレるというのもよいですね。

ただ、自分の脳内で「してもよい」という信仰の人を生み出した場合に、信仰を覆すことは難しいのかなって考えてます。

26. Fully Hatter さん
[2021/03/13 16:38:00 JST(UTC+09:00)]

> guitarさん
理想論をいえば、万引きをしてよい社会、してはならない社会などのいろいろな社会が多様に存在し、人々はその中から好きな社会を選ぶことができる、という世界が一番いいと思います。

もし万引きをしてはならない社会を選ぶならば、その人には万引きをしない責務が生じるからです。

「大人」に関するページ (https://furimako.com/world/grown-up) でも書いてますが、本来は、日本に生まれたという理由だけで、日本の法律に従わなければならないのは間違っています。
我々は一度もそのことに合意していないのですから。

そして、万引きをする人たちのほとんどは、決して「万引きはしてもよい」と信仰している訳ではないことにも注意が必要です。
ほとんどの人は「なんとなく」万引きをしているだけで、「万引きをしてもよい」と信じている訳ではありません。

もし本当に万引きをしてもよいと信じているならば、その行為に後ろめたさや罪悪感を抱くことはないでしょう。

27. Sayaka さん
[2021/04/07 10:28:44 JST(UTC+09:00)]

ニュースで、このコロナ時代に、ビリオネア達が更にお金を稼いだ、というのを見ました。確かにお金儲けの才能を発揮されて素晴らしい面もあります。でもいくらなんでも、儲けすぎだと思います。そんなにお金を持っていて、ニュースでお金が無く困っている他人を見る機会が沢山あるのに、なぜ、そのまま大金を維持してるか、恥知らずじゃないのか、と思います。

28. Fully Hatter さん
[2021/04/24 15:07:33 JST(UTC+09:00)]

> Sayaka さん
まず大前提として、「世の中はどんどん悪くなっている」という話は 9割以上が詐欺まがいの嘘なので、そういったニュースや文章を読むときには細心の注意を払う必要があります。
貧困層と富裕層、若年層と高年層、国内と海外など、格差や思想の違いを強調して分断を煽る存在に騙されないように気をつけましょう。

話を戻しますが、今回のポイントは以下でしょう。
・ビリオネアは儲けすぎているのか?
・お金持ちはお金を自分のために使っているのか?
・お金持ちは困っている人を助けていないのか?

当たり前ですが、コロナで大金を失ったビリオネアなど山のようにいますし、"お金配りおじさん" のように困った人を救うお金持ちも数え切れないほど存在します。
このように、こういったお話には明確な答えはないので、ここではわたしの個人的な考えを述べるに留めたいと思います。

< 全般的な所感 >
わたし個人の非常に狭い観測範囲の中では、一般市民よりもお金持ちの方が、困っている誰かを助けたいと思っている割合が多いように感じます。
これは考えてみれば当然で、誰かを助けるためにはある程度自分自身に余裕が必要です。
明日の食べ物を心配したり、ブラック企業で今にも潰れそうな人が、他の人にまで気を配る余裕がないのは自然なことでしょう。

< ビリオネアは儲けすぎているのか? >
たとえば、江戸時代のお金持ちは「儲けすぎている」とわたしは考えます。
江戸時代は封建制といって、「諸侯」と呼ばれる偉いお金持ちが絶大な権力を持っていました。
「諸侯」には自分の土地の完全な支配権が与えられるため、その土地の農民たちは「諸侯」の言う通りに貢ぎ物を献上し続けるしかありません。
「諸侯」は基本的には世襲制で、「諸侯」の子どもがまた「諸侯」になる、という仕組みなので、農民が「諸侯」になることなどほぼ不可能です。
このような社会では「諸侯」がひたすら儲けることができる一方、農民たちは資産など築けるはずもありません。

一方で、現代の我々はどうでしょうか?
お金持ちと我々との間に、江戸時代のような明確な違いはあるでしょうか?
日本では、ほとんどの人が容易に起業することができ、お金持ちと同様に会社を所有 (株式を購入) することすら可能です。
さらに、たとえばお金持ちが自分の子どもに資産を残そうとしても、贈与税として 50% 以上も国に持っていかれてしまうので、お金持ちの子孫が何世代も豪遊できるような時代ではありません。
そしてそして、お金持ちの方がはるかに多くの税金を収めているのにも関わらず、その税金は基本的に国民全体に平等に分配されます。
お金持ちを擁護したい訳ではありませんが、少なくとも「お金持ちは儲けすぎている」ことは自明ではないと思います。

< お金持ちはお金を自分のために使っているのか? >
一般市民はお金を貯蓄しますが、お金持ちはお金を投資します。
貯蓄はまさに「自分のため」に資産を蓄えることに他ならず、投資は「誰かのため」に資産を活用することを意味します。
つまり、お金持ちの方が自分以外の他の誰かのためにお金を使っている、とも言えるでしょう。

< お金持ちは困っている人を助けていないのか? >
困っている人を救えるのは余裕のある人間だけです。
資本主義社会の現代においてお金は非常に強力なツールであり、そのツールを活用する術を知るお金持ちの方が、より誰かを救うことができる気がします。

29. Sayaka さん
[2021/05/08 05:41:59 JST(UTC+09:00)]

Fully Hatter様、私のとりとめのない書き込みに、こんなに丁寧にお返事してくださり、ありがとうございました。ファンになりました。

Fully Hatter様の観測範囲では、困っている人々を助けたいお金持ちがいらっしゃるようで、それは素晴らしいです。類は友を呼ぶといいますので、お人柄のいい人々に囲まれているのかもしれませんね。ただ、私は、一般的に言って、現在も江戸時代の封建制のようにお金も世襲性になっていることが多いと思います。
お金がある家に生まれるということは、余裕がある生活ができるということです。もし、なにかに失敗しても帰る家があるなら精神的にも余裕があります。それから、人々は、お金持ちに対して軽々しい扱いはしません。どちらかというと、丁寧に扱われ、それはお金持ちの子供にも影響します。いわゆるコネで有利に物事が運ぶこともあります。また、もし、お金持ちになれたとしたら、それはその人の努力の面もありますが、「時の運」の影響も大きいと思います。「時の運」のおかげでもあるのですから、同じ時に住む人々で苦しんでいる人を助ける必要があると思います。ビル・ゲイツがいろんな財団をつくって、助けているというけれど、あれだけのお金持ちなのにそんなもん?みたいに思えて仕方ありません。

30. Fully Hatter さん
[2021/05/10 19:14:53 JST(UTC+09:00)]

> Sayaka さん
ファンになっていただきありがとうございます!笑
Sayaka さんのとりとめのない書き込み、今後もいつでもお待ちしております。

お金が世襲制になっている面ももちろんあるでしょうね。
ただ、繰り返しにはなりますが、「お金持ちはけしからん」「近頃の若者はけしからん」「中国はけしからん」のような文面に対しては、一歩引いて冷静な目でその真偽を見極めるべきだと思います。
特に、その根拠が (統計的なデータではなく) 何となくのイメージだったりしないかどうか、常に自問する姿勢が大切だと思います。
今回の例でいえば、お金持ちの子どもがお金持ちになりやすい、という事実とともに、貧乏な生まれでお金持ちになった人たちの例にも目を向ける必要があるでしょう。

サラリーマンの方で、自分が搾取されているように感じている方をたまに見かけますが、もしその方が本当に搾取されているならばそれは大変に素晴らしいことです。
なぜならば、もしそうであればその方は今すぐに大金持ちになれるからです。
やるべきことは非常にシンプルで、まずは今すぐに起業し、いまの自分のような境遇の人たちを (わずかに良い待遇で) 大量に雇い、通常通りに働いてもらうだけで OK です。
他の会社よりもよい待遇を提示するので、従業員を雇うことは問題にはならないでしょう。
また、彼らは「搾取」されているはずなので、あなたの手元には大量の利益が残るでしょう。

31. ミジュニキ さん
[2021/05/10 22:36:09 JST(UTC+09:00)]

カモメはどうして悲しい声で鳴くのですか?

とある女性と蛇が仲良くなれたのだと思えたはずなのに、
その蛇は実の所、女性を捕食しようとしてたのだという話がありました。
これについて某有名なTwittererさんはナンセンスだと答えていましたが、
正直なところ私には何がなんやら分かんなくなってしまいました。

科学ではなく情緒で見た時のカモメの鳴き声はとても悲しいものです。
これって人間中心主義に支配された鳴き声なのですか?

32. Fully Hatter さん
[2021/05/13 22:26:41 JST(UTC+09:00)]

> ミジュニキ さん
カモメの鳴き声がなぜ悲しい声なのか、考えられる可能性は以下の 2つでしょう。

・実際にカモメが悲しんでいるから悲しい声で鳴いている
・人間の耳には悲しい声に聞こえるが、それはたまたまそう聞こえるだけで本当に悲しんでいるわけではない

わたしは、シャチや象などは人間と同様に悲しいという感情を持つが、昆虫などの単純な生物は感情を持たないと考えています。カモメもそのような感情を (人間ほどではないにしろ) 持っているでしょう。

キーワードは「エピソード記憶」です。

カブトムシがそのような感情を持つことに意味はありません。
なぜならば、カブトムシは「エピソード記憶」ができないからです。

我々は、たとえば 1年前に死別した友のことを覚えています。その悲しみを記憶できます。
ですが、もしその悲しみを記憶できなかったとしたらどうでしょうか?
もし感情を記憶できなければ、たとえその瞬間は悲しかったとしても、次の瞬間にはその悲しみなどきれいさっぱり忘れてしまうので、その悲しみには何の意味もありません。

カブトムシは甘い匂いがすればそれをすすり、光があれば寄っていき、異性のカブトムシがいれば交尾をし、というように反射的な行動のみで生きているため、昨日何を食べたのを覚えていませんし覚える必要もありません。
よって、カブトムシが感情を持っていたとしてもその感情には何の意味もありません。
以上より、カブトムシは感情を持たない、と考えるのが合理的な推論といえるでしょう。

ちなみに、カモメのような鳥類はエピソード記憶が可能なので、感情を持っていたとしても何ら不思議はありません。

33. ギメイ さん
[2022/06/01 14:25:58 JST(UTC+09:00)]

どうして将棋にどハマりされているのですか?

日々12時間?も将棋に時間を割ける秘訣?も気になります。

34. Fully Hatter さん
[2022/06/02 11:39:25 JST(UTC+09:00)]

> ギメイ さん

将棋にハマっている理由は以下の 2つです。

・他にやることがないから
・将棋に適正がありそうだから


『理由①: 他にやることがないから』

ある程度身の回りが落ち着いてきたので、1年ほど「使命 (自分がやるべきこと)」を探してみましたが、わたしのやるべきことは (特にこの平和すぎる日本という国では) ほとんど見当たりませんでした。

このサイトは「弱者救済」が一つの隠れテーマですが、日本には「生活保護」というとてつもない制度があるので、このあたりは個人が無理して頑張る領域ではない、という結論に至りました。(もちろん、実際には生活保護が十分に機能しない場合がある、という問題は依然としてあります)

また、学術系 (アカデミック) の世界に再入園することも試みてみましたが、一番のネックは時間とお金の投資効率ですね。
物理学、数学、哲学、科学哲学それぞれの大学院試の勉強を試しにしてみた感じでは、どの学科でも院試合格は十分に達成できそうで、アカデミックの世界の適正もありそうでした。
ただ、幸か不幸か、現時点で結構な収入があるため、大学院の入学金等の数百万円というお金と数十年という時間を投入してアカデミックの世界で成功したとしても、現状よりも年収が下がってしまう可能性があるんですよね。

よって必然的に、研究をするなら大学ではなく個人でやることになりますが、まあ、この選択肢はまだ残ってますね。
荒木優太さんの「在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活」という、個人で研究をしたい人に向けた本があるので、気が向いたら (将棋に飽きたら) 読むつもりではいます。

日本に革命を起こす、という選択もありますが、今が幸せな状態なので、それを壊す可能性のある選択肢は最善手ではない気がしています。


『理由②: 将棋に適正がありそうだから』

自分で言うのもなんですが、論理的な思考に関してわたしは天才の部類に入ると思います。
高校時代、授業時間以外に一切勉強をしなくても、県内トップの高校で 1番の成績を取り続けられるような人はなかなかいないのではないでしょうか。(まあ数学と物理学だけですが)
これは、幼少期に一人で過ごす時間がかなり多く、親と一緒にいても会話をあまりしない家族だったことに大きな要因があったように思います。

一人で過ごす時間が長いと、会話の相手は自分自身になります。
そして、(日本語のような言葉で思考している人には理解できないかもしれませんが) 自分自身との会話は日本語を使う必要がないんですよね。
小学生のときの国語の授業で、日本語はなんて無駄が多くて気持ち悪い言語なんだろう、と思っていたことを覚えています。
そして、日本語を覚えるたびに、自分の本来の思考方法が失われていく感覚があって、かなり嫌だった記憶もあります。
時を経て、数学と物理学に出会い、ものすごく懐かしい感覚がありました。
ああ、わたしも昔はこういう風に考えていたんだよな、というような懐かしさでした。

話が脱線しましたが、わたしには論理的思考に適正があると思われるため、論理のゲームである将棋にも適正があるのではないか、という仮説を検証しているところです。
ちなみに現段階では、将棋の才能は特になさそうな気配です。(努力と効率だけで無理やり棋力を伸ばしています)

また、わたしは実はかなりの虚弱体質で、年間の半分は体調不良です。
なので、体調不良時でもパフォーマンスを発揮できるか、という観点も重要な要素です。(年間の半分はインフルエンザに罹っているような状態に近いですね)
テニス等のスポーツは、体調不良が直接成績に響いてしまうので適正は皆無といってよいでしょう。
数学、物理学、将棋、テレビゲームのどれかであれば、体調不良時でもある程度パフォーマンスを維持することができますが、逆にいうと、上記以外で体調不良時でもできることはほぼ見つかってません。
なので、選択肢は自然と限られている状況ですね。


『日々12時間?も将棋に時間を割ける秘訣?も気になります。』

なぜいい年をした大人が将棋に多くの時間を割けるのか、については、リアル世界に支障が出る可能性があるので、回答は控えさせてください。

いまのところ 1年弱ほど将棋にどハマりしていますが、体感としては、このまま死ぬまでの時間の大半を将棋で埋めてしまってもよい気持ちです。
死ぬまでの自分の時間の大半を注いでも構わないと思えるものに全精力を注ぎ込むのが一番いいんじゃないですかね。

どなたでもご自由に書き込んでください。
Fully Hatter が愛をもってご返事いたします。


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