1. c.c. さん
[2020/06/29 22:13:21 JST(UTC+09:00)]
「フェミニズムなんてクソ喰らえ」だと思っている多くの男性が対象読者です。
女性は基本的には読者として想定していませんが、この文章の是非を問う上ではあなた方のご意見は極めて重要ですので、なんでも率直なご意見をお待ちしております。
このページの目的は、フェミニズムが男女のどちらにとっても極めて大きなメリットのある思想であることを示すこと、そして、一人でも多くの男性をフェミニストにすることです。
まずは今回のお話の主人公となる「自称フェミニスト」を定義しましょう。
「自称フェミニスト」の定義
フェミニストを自認しながら男性全体に対しての嫌悪を表明している人すべて。
俗にいう ミサンドリスト ですね。
「自称フェミニスト」の多くはミサンドリストであってフェミニストではありません。
中にはミサンドリストでありながら同時にフェミニストでもある方もいらっしゃいますが、ここではそのような方も「自称フェミニスト」に含むこととします。
たとえば以下のような考えを持つような人が「自称フェミニスト」と呼ばれる人たちです。
・いままでさんざん女性は男性から迫害や蹂躙や搾取をされ続けてきたのだから、男性に対して憎しみを抱くのは当たり前。
・女性は男性よりも明らかに優れている。
・男は滅ぶべき。男がいなくても人類は存続できる (卵子だけで生命の作成は可能)。
今まで多くの人が、上記のような「自称フェミニスト」のことをフェミニストだと思っていたかもしれません。
ですが、フェミニズムは本来は極めて素晴らしい理念をベースにした思想であるとわたしは考えています。
世の中にはいろいろとフェミニズムの定義が溢れていますが、ここはあえて、わたしがあなた方男性向けにアレンジした以下の定義を用意しました。
「フェミニスト」の定義
男女間には驚くほど多くの差異があり、そのすべてを正しく認識することは難しい。
が、それを自覚し、自分の誤った先入観に気づくたびにそれを修正していく姿勢を持つ人は (本人の自覚の有無によらず) すべて「フェミニスト」である。
フェミニストは「男性も女性も政治的、経済的そして社会的に平等の権利と機会を持つ世界」を目指す。
勝手に定義してよいのか? と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、よく考えてみましょう。
そもそも、「女性とは何か」という基本的な部分からひとりひとりのイメージはあまりに多様です。
そうであるならば、フェミニズムの理論も同様にひとりひとり多様であってしかるべき、というのがフェミニズムの世界の基本的なスタンスです。
重要なのは、フェミニズムを完璧に理解できる人間などこの世に存在しない、つまり誰しもが男女に関わる偏見を持っているということです。
その現実において、重要なのは自分が誤っているであろうことを認識する想像力と、それを修正しようとする姿勢そのものではないでしょうか?
フェミニストは「自称フェミニスト」に対して断固とした姿勢をとるべきです。
具体的には、「自称フェミニスト」はフェミニストではない、ということを明言することが重要だと考えます。
なぜならば、「自称フェミニスト」の差別主義的な考え方はフェミニズムの目指す世界を実現するための障害だからです。
上記の定義でも触れましたが、フェミニストが目指す世界は「男性も女性も政治的、経済的そして社会的に平等の権利と機会を持つ世界」です。
これは明らかに女性の力だけでは実現できないので、男性の理解やサポートは不可欠です。
ですが、「自称フェミニスト」のような姿勢は男性にとっては害しかありません。
自分にとってデメリットしかないような思想を好き好んで採用するような人間はこの世にはいません。
お話を始める前にまず、このような刺激的なタイトルを用いたわたしの意図について触れさせてください。
大前提として、圧倒的大多数の男はそもそもフェミニズムに興味がないです。
「女性のための思想」のイメージがついてしまってるので、フェミニズムに何となく男が損をしそうな感じがあるのもそうですが、フェミニズムが「男性から抑圧されている女性の反対運動」からスタートしていることも大きな理由だと思います。
女性の方は気分を害さないで聞いてほしいのですが、正直ほとんどの男にとって、女性特有の苦しみは他人事以外の何物でもありません。
「こんなにわたしたちは苦しんでいるのに、それに無関心なんてありえない!!」
その想いはよく分かります。
ですが冷静になってみてください。
男性にとってみれば、「女性」も「重度の精神疾患者」も「身体障害者」も「難民」も「極度の貧困状態にいる多くの人々」も、みな救うべきかけがえのない仲間です。
ですが、ひとりひとりがそれらの大量の問題に取り組める時間も労力も限られています。
そのような状況下で、男性側に「女性」に対しての理解を優先的に求めることは当たり前のことでは決してありません。
そこで、このタイトルに戻ります。
みなさんご存知のとおり、フェミニストに対して反感を持っている男性は驚くほど多いです。
これは一見するとフェミニストにとって良くない状況のように思えますが、ちょっと見方を変えてみると、フェミニズムが理想とする世界を構築する上でまたとないチャンスではないでしょうか。
なぜなら、今まではまったくの無関心であった男性側が、たとえ反感という感情がベースであれ、フェミニストに大きな興味関心を持っている状態なのですから。
「自称フェミニスト」の差別主義的な考えは、男性にとってはまさに自分ごとです。
ですので、そのような観点からフェミニズムのあるべき姿を考えることは、男性をフェミニストにする最良の方法ではないかと考え、このタイトルを採用するに至りました。
そもそもフェミニズムのことをよく知らない方も多くいらっしゃると思うので、まずは主要な 3つの具体例とともにフェミニズムの基本的な考え方を示してみます。
わたしはフェミニズムは男性にとって大きな得だと思っています。
理由は大きく2つ。
まず第一に、たとえば男女どちらも採用して育てる会社は、男性しか採用しない会社に比べてより多くの優秀な人材を確保できます。
採用対象となる人数が単純に倍になるので、将来的にはその会社の競争力が上がる可能性があります。
男女の知的能力に差異がほとんどないにも関わらず、その片方の潜在能力しか活かせない組織はそれ自体が大きなハンデとなりえます。
第二に、消費者の半分は女性です。
たとえば食料や衣服、日用品や子ども用品について、購入の意思決定をするのは女性の場合が多いです。
よって、女性が買いたくなるようなマーケティング施策や商品開発は不可欠で、そこに女性が関われるかどうかが重要な可能性があります。
悪いことではありません。
というより、すべての人は少なからずこのような判断をします。
今までの経験や知識をもとに、はじめて会う人の趣味嗜好や特徴を予想することはとても重要なことです。
ですが、その判断が「誰かに作られた」ものである可能性は常に疑うべきです。
たとえばハリウッド映画の主人公のほとんどが男性ですが、そのことが「男性の方が偉い」と多くの人に思わせてしまう可能性はあるでしょう。
少し考えてみれば、仕事が大好きな女性や家事が苦手な女性がいることはすぐに想像できるはずです。
無意識に何かしらのイメージを持ってしまうことは仕方のないことですが、それが妥当なものでない可能性は常に念頭に置くべきです。
たとえば 1歳時にビデオを見せると、男の子はしゃべっている人間よりも自動車の方に興味を示すことが多く、女の子は逆にしゃべっている人間により興味を示す傾向があります。
他にも、子どもの遊びで男の子が争いを起こす回数は女の子の 50倍も多かったり、女の子は物事を交代で行うことが男の子の 20倍も多かったりします。
このように、男女の性差と思われる何かしらの傾向が現実にあることは確かです。
ですが、我々が「男女の違い」だと思っていることの多くが思い込みにすぎないことは認識しておくべきです。
たとえば、1970年代まではマラソンのような過酷なスポーツは女性には向かないと考えられていました。
なのでその当時は、「女性にはマラソンは向いていない」という「合理的な理由」で多くの女性はマラソン選手になれませんでした。
しかし、スポーツ医学の研究が重なるにつれ、むしろ女性の身体のほうが長距離走のようなスポーツには向いていることが分かってきています。
このように、一見科学的に見える「合理的な理由」ですら間違っていることが往々にしてあります。
男女雇用機会均等法には以下のような記載があります。
『第五条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別に関わりなく均等な機会をあたえなければならない』
ですので、たとえば「我社では男性を優先的に採用します!」と宣言することはもちろん法律違反となります。
ただ、そのように明言せずに形式上では男女を募集しているけれども、実は最初から女性を採用する気がないような会社は法律違反にはなりません。
実質的に会社は、採用時に性別をその判断基準に含めることができます。
以上より、男性を優先的に採用することは間違っていないと言えます。
日本は法治国家なので、法律上問題がなければその行為は正当化されるからです。
ですが、ここには大きな問題があります。
ある会社にとって最も良い(ようにみえる)判断でも、社会全体で考えると悪い状況を生み出し、結果として損をする結果になるようなことがありえるからです。
一番分かりやすい例が「環境破壊」でしょう。
環境への負荷を顧みずに自分の利益だけを考慮して行動した場合、短期的には自分の得になりますが、結局はみんなが苦しむ結果になります。
各社が男性を優先的に採用することで目先の利益に囚われ、社会全体として女性の潜在的な能力を引き出せなくなれば、その社会はいつか大きなしっぺ返しを食らうことになるかもしれません。
さて、ようやく本論です。
が、わたしの言いたいことのほとんどは上記がすべてです。
ですが、「自称フェミニスト」を叩き潰したくてこの文章を読まれている方もいらっしゃると思うので、最後にその部分に触れたいと思います。
まず、まえがきでも書きましたが、フェミニストは「自称フェミニスト」に対しては断固とした態度をとるべきで、「自称フェミニスト」はフェミニストではない、ということを強調すべきと考えます。
そしてわたしは、「自称フェミニスト」に対してはそれで十分だと考えます。
多くの男性は、「自称フェミニスト」の差別的な言動にイラついているかもしれません。
ですが、今回のような男女のテーマで、フェミニズムの障壁になるのは「自称フェミニスト」の考え方だけではありません。
実は、「自称フェミニスト」の男版も、世の中には溢れています。
・男性は女性よりも(肉体的にも精神的にも)優れている
これは「自称フェミニスト」の考え方を逆にしただけですが、このように考える男性がどれほど多いかはすぐに気づくはずです。
もちろん「自称フェミニスト」の考え方に問題があることは確かですが、同様に「自称フェミニスト」の男版、いわゆる ミソジニー にも問題があることも確かです。
もしあなたが「自称フェミニスト」を叩き潰したいのならば、同様に身近にいる「男性の方が女性よりも優れている」と盲信している多くの男性についても、同様に叩き潰す姿勢を持ってしかるべきです。
そして、あなたは気づくかもしれません。
自分も「叩き潰される」側の人間だったのではないか、と。
理想から見れば我々は、常に間違え、常に勘違いをしてしまう浅はかな存在です。
よりよい世界を作り上げようとしている気になっていながら、実は自分自身こそが、その世界を壊している張本人だったりします。
そんな愚かな我々が理想の世界を築ける時がくるとしたら、それは我々が、間違った人を許すことができたときなのかもしれません。
参考文献
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キング牧師
最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。
1. c.c. さん
[2020/06/29 22:13:21 JST(UTC+09:00)]
2. Fully Hatter さん
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3. ガッツ さん
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4. Fully Hatter さん
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9. いつかの宇宙人 さん
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10. yuki さん
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11. Fully Hatter さん
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12. Fully Hatter さん
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17. いまだに宇宙人 さん
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19. いまだに宇宙人 さん
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20. バード さん
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25. とある日本人 さん
[2021/03/04 01:46:29 JST(UTC+09:00)]
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27. とある日本人 さん
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33. イエローハット さん
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[2021/05/26 20:26:04 JST(UTC+09:00)]
38. ただの男 さん
[2021/05/27 11:22:51 JST(UTC+09:00)]
39. 暇人 さん
[2021/05/28 22:02:29 JST(UTC+09:00)]
40. Fully Hatter さん
[2021/06/08 10:04:40 JST(UTC+09:00)]
41. フェミヲタ さん
[2021/06/16 10:57:00 JST(UTC+09:00)]
42. ただの男 さん
[2021/06/19 16:20:46 JST(UTC+09:00)]
43. Fully Hatter さん
[2021/06/25 11:10:17 JST(UTC+09:00)]
44. 偽名推奨 さん
[2021/12/20 11:07:29 JST(UTC+09:00)]
45. Fully Hatter さん
[2021/12/21 13:30:31 JST(UTC+09:00)]
46. ただの男 さん
[2022/02/01 11:40:30 JST(UTC+09:00)]
47. よっぷい さん
[2022/02/08 08:12:16 JST(UTC+09:00)]
48. 暇人 さん
[2022/05/04 20:39:36 JST(UTC+09:00)]
49. Fully Hatter さん
[2022/05/10 14:07:32 JST(UTC+09:00)]
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