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「自称フェミニスト」の叩き潰し方

〜「フェミニズムなんてクソ喰らえ」だと思っている多くの男性へ〜

対象読者

「フェミニズムなんてクソ喰らえ」だと思っている多くの男性が対象読者です。

女性は基本的には読者として想定していませんが、この文章の是非を問う上ではあなた方のご意見は極めて重要ですので、なんでも率直なご意見をお待ちしております。

このページの目的

このページの目的は、フェミニズムが男女のどちらにとっても極めて大きなメリットのある思想であることを示すこと、そして、一人でも多くの男性をフェミニストにすることです。

フェミニストの定義

まずは今回のお話の主人公となる「自称フェミニスト」を定義しましょう。

「自称フェミニスト」の定義
フェミニストを自認しながら男性全体に対しての嫌悪を表明している人すべて。

俗にいう「ミサンドリスト」ですね。

「自称フェミニスト」の多くは「ミサンドリスト」であって「フェミニスト」ではありません。
中には「ミサンドリスト」でありながら同時に「フェミニスト」でもある方もいらっしゃいますが、ここではそのような方も「自称フェミニスト」に含むこととします。

たとえば以下のような考えを持つような人が「自称フェミニスト」と呼ばれる人たちです。

・いままでさんざん女性は男性から迫害や蹂躙や搾取をされ続けてきたのだから、男性に対して憎しみを抱くのは当たり前。
・女性は男性よりも明らかに優れている。
・男は滅ぶべき。男がいなくても人類は存続できる (卵子だけで生命の作成は可能)。

今まで多くの人が、上記のような「自称フェミニスト」のことを「フェミニスト」だと思っていたかもしれません。

ですが、「フェミニズム」は本来は極めて素晴らしい理念をベースにした思想であるとわたしは考えています。

世の中にはいろいろとフェミニズムの定義が溢れていますが、ここはあえて、わたしがあなた方男性向けにアレンジした以下の定義を用意しました。

「フェミニスト」の定義
男女間には驚くほど多くの差異があり、そのすべてを正しく認識することは難しい。
が、それを自覚し、自分の誤った先入観に気づくたびにそれを修正していく姿勢を持つ人は (本人の自覚の有無によらず) すべて「フェミニスト」である。
フェミニストは「男性も女性も政治的、経済的そして社会的に平等の権利と機会を持つ世界」を目指す。

勝手に定義してよいのか? と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、よく考えてみましょう。

そもそも、「女性とは何か」という基本的な部分からひとりひとりのイメージはあまりに多様です。

そうであるならば、フェミニズムの理論も同様にひとりひとり多様であってしかるべき、というのがフェミニズムの世界の基本的なスタンスです。

重要なのは、フェミニズムを完璧に理解できる人間などこの世に存在しない、つまり誰しもが男女に関わる偏見を持っているということです。

その現実において、重要なのは自分が誤っているであろうことを認識する想像力と、それを修正しようとする姿勢そのものではないでしょうか?

まえがきのまえがき (どうして「自称フェミニスト」は叩き潰さなければならないのか?)

「フェミニスト」は「自称フェミニスト」に対して断固とした姿勢をとるべきです。
具体的には、「自称フェミニスト」は「フェミニスト」ではない、ということを明言することが重要だと考えます。

なぜならば、「自称フェミニスト」の差別主義的な考え方は「フェミニズム」の目指す世界を実現するための障害だからです。

上記の定義でも触れましたが、フェミニストが目指す世界は「男性も女性も政治的、経済的そして社会的に平等の権利と機会を持つ世界」です。
これは明らかに女性の力だけでは実現できないので、男性の理解やサポートは不可欠です。

ですが、「自称フェミニスト」のような姿勢は男性にとっては害しかありません。
自分にとってデメリットしかないような思想を好き好んで採用するような人間はこの世にはいません。

まえがき (なぜタイトルが『「自称フェミニスト」の叩き潰し方』なのか)

お話を始める前にまず、このような刺激的なタイトルを用いたわたしの意図について触れさせてください。

大前提として、圧倒的大多数の男はそもそもフェミニズムに興味がないです。
「女性のための思想」のイメージがついてしまってるので、フェミニズムに何となく男が損をしそうな感じがあるのもそうですが、フェミニズムが「男性から抑圧されている女性の反対運動」からスタートしていることも大きな理由だと思います。

女性の方は気分を害さないで聞いてほしいのですが、正直ほとんどの男にとって、女性特有の苦しみは他人事以外の何物でもありません。

「こんなにわたしたちは苦しんでいるのに、それに無関心なんてありえない!!」

その想いはよく分かります。
ですが冷静になってみてください。

男性にとってみれば、「女性」も「重度の精神疾患者」も「身体障害者」も「難民」も「極度の貧困状態にいる多くの人々」も、みな救うべきかけがえのない仲間です。
ですが、ひとりひとりがそれらの大量の問題に取り組める時間も労力も限られています。

そのような状況下で、男性側に「女性」に対しての理解を優先的に求めることは「当たり前」のことでは決してありません。

そこで、このタイトルに戻ります。

みなさんご存知のとおり、「フェミニスト」に対して反感を持っている男性は驚くほど多いです。

これは一見するとフェミニストにとって良くない状況のように思えますが、ちょっと見方を変えてみると、フェミニズムが理想とする世界を構築する上でまたとないチャンスではないでしょうか。

なぜなら、今まではまったくの無関心であった男性側が、たとえ「反感」という感情がベースであれ、フェミニストに大きな興味関心を持っている状態なのですから。
「自称フェミニスト」の差別主義的な考えは、男性にとってはまさに「自分ごと」です。

ですので、そのような観点からフェミニズムのあるべき姿を考えることは、男性をフェミニストにする最良の方法ではないかと考え、このタイトルを採用するに至りました。

序論 (フェミニズムの基本的な考え方)

そもそもフェミニズムのことをよく知らない方も多くいらっしゃると思うので、まずは主要な 3つの具体例とともにフェミニズムの基本的な考え方を示してみます。

例1: フェミニズムは男性にとって損ではないか?

わたしはフェミニズムは男性にとって大きな得だと思っています。

理由は大きく2つ。

まず第一に、たとえば男女どちらも採用して育てる会社は、男性しか採用しない会社に比べてより多くの優秀な人材を確保できます。
採用対象となる人数が単純に倍になるので、将来的にはその会社の競争力が上がる可能性があります。
男女の知的能力に差異がほとんどないにも関わらず、その片方の潜在能力しか活かせない組織はそれ自体が大きなハンデとなりえます。

第二に、消費者の半分は女性です。
たとえば食料や衣服、日用品や子ども用品について、購入の意思決定をするのは女性の場合が多いです。
よって、女性が買いたくなるようなマーケティング施策や商品開発は不可欠で、そこに女性が関われるかどうかが重要な可能性があります。

例2: 女性に対しての勝手なイメージ(優しい、仕事よりも結婚、家事や子育てが得意、等)を持つことは悪いことか?

悪いことではありません。

というより、すべての人は少なからずこのような判断をします。
今までの経験や知識をもとに、はじめて会う人の趣味嗜好や特徴を予想することはとても重要なことです。

ですが、その判断が「誰かに作られた」ものである可能性は常に疑うべきです。

たとえばハリウッド映画の主人公のほとんどが男性ですが、そのことが「男性の方が偉い」と多くの人に思わせてしまう可能性はあるでしょう。
少し考えてみれば、仕事が大好きな女性や家事が苦手な女性がいることはすぐに想像できるはずです。

無意識に何かしらのイメージを持ってしまうことは仕方のないことですが、それが妥当なものでない可能性は常に念頭に置くべきです。

たとえば 1歳時にビデオを見せると、男の子はしゃべっている人間よりも自動車の方に興味を示すことが多く、女の子は逆にしゃべっている人間により興味を示す傾向があります。
他にも、子どもの遊びで男の子が争いを起こす回数は女の子の 50倍も多かったり、女の子は物事を交代で行うことが男の子の 20倍も多かったりします。

このように、男女の性差と思われる何かしらの傾向が現実にあることは確かです。

ですが、我々が「男女の違い」だと思っていることの多くが「思い込み」にすぎないことは認識しておくべきです。

たとえば、1970年代まではマラソンのような過酷なスポーツは女性には向かないと考えられていました。
なのでその当時は、「女性にはマラソンは向いていない」という「合理的な理由」で多くの女性はマラソン選手になれませんでした。
しかし、スポーツ医学の研究が重なるにつれ、むしろ女性の身体のほうが長距離走のようなスポーツには向いていることが分かってきています。

このように、一見科学的に見える「合理的な理由」ですら間違っていることが往々にしてあります。

例3: 結婚や出産のために女性の在職期間が短いことが統計的に明らかな場合、男性を優先的に採用することは間違っているか?

男女雇用機会均等法には以下のような記載があります。

『第五条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別に関わりなく均等な機会をあたえなければならない』

ですので、たとえば「我社では男性を優先的に採用します!」と宣言することはもちろん法律違反となります。

ただ、そのように明言せずに形式上では男女を募集しているけれども、実は最初から女性を採用する気がないような会社は法律違反にはなりません。
実質的に会社は、採用時に性別をその判断基準に含めることができます。

以上より、男性を優先的に採用することは間違っていないと言えます。
日本は法治国家なので、法律上問題がなければその行為は正当化されるからです。

ですが、ここには大きな問題があります。

ある会社にとって最も良い(ようにみえる)判断でも、社会全体で考えると悪い状況を生み出し、結果として損をする結果になるようなことがありえるからです。

一番分かりやすい例が「環境破壊」でしょう。
環境への負荷を顧みずに自分の利益だけを考慮して行動した場合、短期的には自分の得になりますが、結局はみんなが苦しむ結果になります。

各社が「男性を優先的に採用」することで目先の利益に囚われ、社会全体として女性の潜在的な能力を引き出せなくなれば、その社会はいつか大きなしっぺ返しを食らうことになるかもしれません。

本論 (「自称フェミニスト」の叩き潰し方)

さて、ようやく本論です。
が、わたしの言いたいことのほとんどは上記がすべてです。

ですが、「自称フェミニスト」を叩き潰したくてこの文章を読まれている方もいらっしゃると思うので、最後にその部分に触れたいと思います。

まず、まえがきでも書きましたが、「フェミニスト」は「自称フェミニスト」に対しては断固とした態度をとるべきで、「自称フェミニスト」は「フェミニスト」ではない、ということを強調すべきと考えます。

そしてわたしは、「自称フェミニスト」に対してはそれで十分だと考えます。

多くの男性は、「自称フェミニスト」の差別的な言動にイラついているかもしれません。

ですが、今回のような男女のテーマで、「フェミニズム」の障壁になるのは「自称フェミニスト」の考え方だけではありません。

実は、「自称フェミニスト」の男版も、世の中には溢れています。

・男性は女性よりも(肉体的にも精神的にも)優れている

これは「自称フェミニスト」の考え方を逆にしただけですが、このように考える男性がどれほど多いかはすぐに気づくはずです。

もちろん「自称フェミニスト」の考え方に問題があることは確かですが、同様に「自称フェミニスト」の男版、いわゆる ミソジニー にも問題があることも確かです。

もしあなたが「自称フェミニスト」を叩き潰したいのならば、同様に身近にいる「男性の方が女性よりも優れている」と盲信している多くの男性についても、同様に叩き潰す姿勢を持ってしかるべきです。

そして、あなたは気づくかもしれません。
自分も「叩き潰される」側の人間だったのではないか、と。

理想から見れば我々は、常に間違え、常に勘違いをしてしまう浅はかな存在です。
よりよい世界を作り上げようとしている気になっていながら、実は自分自身こそが、その世界を壊している張本人だったりします。

そんな愚かな我々が理想の世界を築ける時がくるとしたら、それは我々が、間違った人を許すことができたときなのかもしれません。

引用

エマ・ワトソンさんの 2014年の国連本部のスピーチ


この主張に賛同する方は、家族や友人に LINE でシェアしたり、SNS に流してみましょう。

キング牧師
最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。


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Comments

1. c.c. さん
[2020/06/29 22:13:21 JST(UTC+09:00)]

(自分の理解不足なら大変申し訳ないのですが)論理自体は非常に共感できたものの、結論が見えてきませんでした。

2. Fully Hatter さん
[2020/06/29 22:21:39 JST(UTC+09:00)]

> c.c. さん
コメントありがとうございます。
結論は、最初の目的のとこにも書きましたが

「フェミニズムは男も女も幸せになれる素敵な思想だから、みんなに広めましょう!」

ですね。
ちょっと宗教っぽいですが笑

3. ガッツ さん
[2020/07/19 16:10:08 JST(UTC+09:00)]

はじめまして。興味深く読ませていただきました。

すこし議論から外れてしまうかもしれませんが、私は「フェミニン」をすぐに想起させる「フェミニズム」という名称が、男性のア・プリオリな拒絶と"自称フェミニスト"の傲慢を生んでいる部分があるのではないか、と思っています。

これは私(男性)自身の経験談で恐縮ですが、何も知らなかった高校生の頃に「フェミニズム」という言葉に抱いていたイメージ(その良し悪しは別として、事実、人は常にイメージに大きく左右されます)が正に"自称フェミニスト"のそれにほとんどダブっていて、誤解だと気づくのに結構な時間がかかりました。また、私の同性の友人に「フェミニズムってどう?」と聞くのと「男女同権ってどう?」と聞くのでは返答に明確な差があり、これは案外重要な点なのかもしれない、と思うに至りました。
次に、これもイメージについての同根の問題ですが、「フェミニズム」という言葉のもたらすイメージが「今度は女性の番」であることは、主にTwitterでの"自称フェミニスト"の絶望的な跋扈を見る限り否めない感じがします。
もしそうであるならば、フェミニストがまず行うべきことに、この記事で主さんが行われたような「フェミニズム」のイメージの刷新の為の呼びかけがあるのは妥当です。しかし、現代のフェミニズムが男女の同権を理想とするならば、もはや「フェミニズム」という名称にこだわる必要もなくなったのではないでしょうか。
長文、失礼しました。

4. Fully Hatter さん
[2020/07/20 20:45:28 JST(UTC+09:00)]

> ガッツさん
非常に重要な部分について、コメントありがとうございます。
「フェミニズム」という名称自体を変えるべきではないか、という考えについて、実はわたしもこの記事を書くまでは完全に同意見でした。
が、いまはちょっとその考えに疑問を持ちつつあります。

わたしの仮説は以下です。
・「フェミニスト」「自称フェミニスト」そのどちらも、実はその絶対数はかなり少ないのではないか (女性ですら「フェミニスト」に悪いイメージを持つ方が多くいます)
・メディアや SNS で大きく取り上げられてはいるが、「フェミニズム」に興味を持つ人の数は実はかなり少ないのではないか (これらのイメージは「フェミニスト」たちが必死で作り上げている虚構ではないか)

もしこれが正しければ、もし名称を変えた場合、「フェミニズム」という言葉でせっかく集めた (ただでさえ少ない) オーディエンスを手放すことになり、最悪の場合その存在自体も失われうるかもな、と思いました。まだわたしの中で結論はでていませんが。

5. yuki さん
[2020/08/01 10:27:20 JST(UTC+09:00)]

はじめまして、フェミニストの端くれです。

「フェミニズム」という名称を変えるべきだとの声は運動の内部からも度々出てきており、実際「ヒューマニスト」や「反・性差別」に看板を掛けかえる人がいます。

だからこれは私個人の、今のところの考えに過ぎないのですが、「フェミニズム」という名称を変えるべきではないと思う理由について、少し書いておきたくなりました。

理由は二つ。
①フェミニズムの歴史を「自称フェミニスト」に明け渡すべきではないから(思想的な理由)
②フェミニズムの文脈内で「自称フェミニスト」とやり合うほうがラクだから(実際的な
理由)

さらに言い訳として、
③ヤバい思想が出てくるのは今に始まったことではなく、フェミニズムの歴史って大体そんなもん
があります。


まず一つ目。まともなフェミニストたちがフェミニストを名乗るのをやめれば、自称フェミニストたちがその肩書きを乗っ取るでしょう。(すでに乗っ取られていると言われたら、どうしようもありませんが…)

「フェミニズム」という言葉が女性の権利の擁護という意味で使われだしたのは19世紀末からで、この言葉にはおよそ130年の歴史があることになります。「フェミニズム」の名称を変えることは、先人による130年の蓄積を自称フェミニストたちに明け渡すことなのです。

ではその130年の歴史は全てが誇れるものだったのかというと、そんなことはありません。
例えば軍国主義の時代には、産めよ増やせよお国のために!男たちの銃後を守れ!という、戦争賛美・母性称揚・性別役割分業大肯定の女性擁護がありました。

実際のところ、現在「自称フェミニスト」たちが主張している「男女は本質的に異なり、男は根本的にダメ。男○ね」というような内容も、過去に失敗したフェミニズムの一つ、そのリバイバルに過ぎないのです。

今「自称フェミニスト」たちが主張している内容は、過去に何度も失敗したものではありますが、フェミニズムの文脈から出てきてしまったものには違いありません。
ですが現在のフェミニズムは、これら失敗したフェミニズムへの反省の上に成り立っています。叩き潰すための論理も、フェミニズムの文脈上にあるのです。

「自称フェミニスト」の言い分は過去の失敗フェミニズムと現在のフェミニズムの都合のよい良いとこ取りで、矛盾を指摘するのは容易です。フェミニズムの文脈内で矛盾を指摘すれば、フェミと非フェミのイデオロギーの違いに還元することはできませんから、より力強い批判になると私は考えます。

ここで言い訳です。「自称フェミニスト」のような現象は今に始まったことではありません。フェミニズムは何度も失敗しながら、その度に自己批判を繰り返し少しづつ前に進んできた思想です。
フェミニストであるということは、フェミニズムの負の歴史をも引き受け、先人たちの反省の経験を受け継いで、負の歴史を繰り返そうとする「自称フェミニスト」を批判し押し留めることだと、私は思っています。

6. yuki さん
[2020/08/01 12:55:55 JST(UTC+09:00)]

あと、本当にちょっとしたことなのですが、

「自称フェミニスト」の定義
フェミニストを自認しながら男性全体に対しての嫌悪感を持っている人すべて。

に二つほど引っかかるところがあります。

一つは、「嫌悪感を『持っている』〜」の部分です。細かい部分ですが内心は自由です。嫌悪感を持つこと、を嫌悪を表明すること、に変えるとこうなります。

フェミニストを自認しながら男性全体に対しての嫌悪を表明している人すべて。

これで充分なのですが、もう一つ細かいところを。「自称フェミニスト」の悪辣さというのは、単に男性を罵る(これでも失礼ですが)のみならず、その行為を己の「フェミニズム」でもって正当化するところにある、と思います。この要素を入れると次のようになります。

フェミニストを自認しながら男性全体に対しての嫌悪を表明し、その嫌悪を「フェミニズム」によって正当化しようとする人すべて。

うるさくてすみません。

7. Fully Hatter さん
[2020/08/01 21:38:29 JST(UTC+09:00)]

> yuki さん
尊敬するフェミニストの方からのコメント、とても感謝します。
フェミニズムの歴史やフェミニストの現状について、非常に興味深い考察だと思います。
(「フェミニズム」の名称についての yuki さんの考え方には基本的に賛成です)

一点、yuki さんのコメントを読んでいて思うことがあり、ちょっとここで触れさせてください。

まずわたしは、フェミニズムの本質はその「思想」や「歴史」や「整合性」や「論理」自体にはないと考えています。
より具体的にいうならば、フェミニズムとは「フェミニズムが理想とする世界」を実現する「手段」に過ぎず、フェミニズムは『どうしたらこの世界を「フェミニズムが理想とする世界」に近づけられるか』ということを何よりも優先して考えるべきだと思っています。

何十年とフェミニストとしての活動を行い、半生をフェミニズムに捧げているような方々にとっては、フェミニズムの歴史に思い入れがあるのは当然ですし、そこに愛着が生まれることももちろんよく分かります。
ですが、なぜ我々がフェミニストをやっているのか、という基本的な部分を忘れてはならないと思います。

何が言いたいかというと、もちろん yuki さんの主張は理解できますし個人的には賛同しますが、たとえばもしこれらの主張が「フェミニズムが理想とする世界」を実現する上での障害になりえるのであれば、これらの主張は直ちに取り下げなければならないと考えます。
極論をいえば、フェミニズムの「歴史」や「思想」や「整合性」や「論理」そのすべてが失われたとしても、「フェミニズムが理想とする世界」を完全に実現できるならばそれで構わない、という姿勢があってしかるべきではないかな、と思います。
(もちろん、理想世界を実現したあとにその世界を継続的に維持していくためにも、「歴史」や「思想」などが非常に重要な役割を果たすであろうことは理解しています)

もしも「フェミニズム」という看板を外すことで「フェミニズムが理想とする世界」を実現できるならば、それはフェミニズムとしては歓迎すべきことではないかな、と。(誤解のないように一応補足すると、わたしはいまのところは「フェミニズムの名称は変えないほうがいいかも派」です)
フェミニズムにおけるあらゆる議論は、「フェミニズムが理想とする世界」を実現するというその最優先事項を決して忘れてはならないと思います。
(念のためもう一度、わたしは yuki さんの考えには大賛成ですし、その歴史を大切にする姿勢自体はとても大切なことだと思っています)

「自称フェミニスト」の定義については、「嫌悪を表明している人」への修正は妥当ですね、失礼しました。(本文は修正済みです)
「フェミニズムで正当化」のくだりについては、わたしは「フェミニズムが理想とする世界」を実現する上での障害となる存在として「自称フェミニスト」を例示していますが、もちろん「フェミニズム以外で正当化する人」も障害になりえるので「自称フェミニスト」の定義に含めてもいいかな、と。

8. いつかの宇宙人 さん
[2020/08/03 05:56:16 JST(UTC+09:00)]

はじめまして。実は昨年から今年にかけてFully Hatter さんのページを紹介され、ツイッターでふりまこさんをフォローさせていただき、時々読ませていただいている者です。
性別的には女です。
フェミニズムとかカタカナ用語が出てくると脳内混乱するので詳しい事はよくわからないのと、賛同してるのか反論なのかもわかりませんが
どうしても思うことがあり、朝っぱらからコメントさせていただきます。

家事や出産や育児、これらは元々は立派な職業でした
男女平等などを掲げて、女性がそれらをやりながら、あるいはそれらを控え
働いて自立せよ、とは何事かと言う考えを持っています
これぞ男尊女卑であり、女は男女で相思相愛となれば結婚し、
出産や育児、家事もやって、さらに働けと?
元々は結婚とは共同経営でありました。
それを望まない方ももちろんいますよね。
仕事がしたい、そういうかたが単身でもいて、結婚しても共稼ぎでしっかりと役割分担もしていらっしゃるご夫婦も沢山います。
そういった意味では、女性が社会進出できるようになった社会は、
良くなったはずです。
しかしながら、女性として現代社会では
将来「お嫁さんになりたい」「お母さんになりたい」
こういった、最も偉業である本能的にも理に適った職業につくことは
・古くて封建的
・自立心がない
・食わせてもらおうとしている
ディスられる言葉が並び、立派といわれない傾向にあるようにおもいます。
私はこれが許せない。

職業に就き自立して成功して見せなければ、嫁にも貰えないような流れは
まさに真の意味での男尊女卑そのものではないでしょうか。

男性の皆さんは、37度5分~38度熱が出たときどうなっていますでしょうか
日頃の体温から2度変わればフラッとしませんか
女性はそれ、毎月起きていて人によっては痛みや倦怠感も伴います。
その状態が1週間程度続くわけです。
そんな中、男と同様に働くべきだなどとどの口が言えるのでしょうか。

どちらが優れているだとか、平等であるべきだとか、
何もかもが根本的なところから勘違いしていないかと思えることが沢山あります。
男女、またはその間のかたも含まれますが
双方違いがあって、誰かとワンセットであります。
どちらも尊い存在であり、優劣はありません。

仕事の効率などでも平等の誤認によって男尊女卑は行われ続けています。
一旦送信し、続きをコメントさせていただきます。

9. いつかの宇宙人 さん
[2020/08/03 06:34:18 JST(UTC+09:00)]

仕事などにおける、平等の誤認による男尊女卑。
例をあげると、このようなものがあります。
個人差も含まれますが、男性の歩幅と女性の歩幅はもとから違いがあります。
しかし、同じ距離を歩かされるわけです。
もしも、歩いて荷物を届けるとしたとき、
男性なら30分で到達するところ、女性は45分程度
そのタイムラグを埋めるためには相当な運動労力を必要とします
そのぶん、カロリーも消費します。
カロリーは摂取しなければなりませんから、個人の肉体を形成するためにかかる食費と維持費は男性並みに多くかかります。
それでいて、男性を越えて効率が良いなどということはなく、
差を縮めても35分はかかるでしょう(例としてです

もしもその2人が結婚という共同経営で考えれば、
効率が良い者をその職につけるのは当然です。
出来高の給与でいけば、確実に手取りにも差は出るでしょう。
もちろん、旦那さんが理解があり奥さんがどうしてもその仕事をやりたくて
非効率でも奥さんが肉体労度をし、旦那さんが家事や育児をして、経費がかかって手元に残る金額も少ない暮らしでも幸せかもしれませんが、
その中で子供を欲しがって認められている日数の産休を取っただけで、
重たいおなかで荷物を箱ぶことを喜ぶ社会はあるでしょうか。
妊婦がみかん箱など運んできたら、なんてことをさせる会社なのか?大丈夫なのかと
多くの人が心配をし、また本人がどんなに望んだ仕事で幸せであっても、
途中で破水して大事故となり、流産してまで届く荷物のシステムを喜んで使うでしょうか
仕事だし、本人がすきでやってんだからそれはしょうがないよ、
これが当たり前、そんなの当然。そのように成るのでしょうか?

平等ではなく、バランスの取れた「対等」であれば良いのではないでしょうか。

多くの女性は、結婚も出産も、いやその前に自立もお金がかかる!
と思い込んで、必死で働きますが、大半は身体を壊し癒しなおすことに殆どを使ってしまいます。精神を壊さず頑張っているかたは正直言って稀のような印象です。
そのようにして、奴隷で終る。
女性の社会進出は、子育てなどが終って時間が出来てからで充分。
当人が望むもので無理がなければ問題ないです。
しかし、無理をしないものなんて1つもありません。

自律の名のもとに核家族どころか、夫婦もカップルもみなバラバラで
なんと非効率な。
これでは幾ら働いてもいつまでも延々と貧乏なのは当たり前です。
インフルにかかったまんま普段どおりの仕事をしている事を考えてください。

フェミニストだか、似非フェミニストだかよくわかりませんが。

自殺と少子化、止まらない根源。
欧米に毒されまんまとはまって破滅の道まっしぐら。
私は納得出来る〇×論などにいまだ出逢っておらず、そのような悲しみのふちのような印象から抜け出せずにいます。
それではいけない。

女性の自立、それは主婦や母親になるという職業を除外してはならない。
除外することは単なる自律の名の下の男尊女卑での女の奴隷化
これを是非ご一考いただきたいと声をあげさせていただきます。

長々失礼しました。


10. yuki さん
[2020/08/03 19:35:11 JST(UTC+09:00)]

丁寧なお返事ありがとうございます。

イデオロギー最優先で理想の世界から遠のいてしまっては意味がないというのは、非常によく分かります。私もよく考えることですが、正直言って、何が理想の世界への近道なのかわからないのです。

例えば「そんな言い方じゃ伝わらないよ」と、主張の内容でなく口調を批判して結果的に主張それ自体を退けること、これには「トーンポリシング」という名前がつけられています。
口調に対するアドバイスは一見正しいようですが、男性よりも女性のほうが丁寧な言葉遣いを求められやすいということがあり、差別の一形態と認識されています。

トーンポリシングに対するスタンスは様々です。私は、女性のほうが丁寧さを求められやすいという点については同意しますが、そうはいっても丁寧なほうが聞き入れられやすいかな?と曖昧な態度をとっています。

一方で、丁寧な言い方をし続けても何も変わらないし、「女性に丁寧さを求める空気」に加担するだけだと考えて、乱暴な口調を好んで使うフェミニストもいます。

どちらが正しいのでしょうか?どちらが理想の世界への近道なのでしょうか?私にはわかりません。

そうして迷ったときに立ち戻れるのが「歴史」、自分の考えが少なくとも(論理的には)間違ってはいないことを確認できるのが「論理」と考えています。
(この場合、どちらが良いか結局結論はでなかったのですが…)

男性に対して人権侵害的な発言を繰り返す「自称フェミニスト」の存在は、反差別の人でさえ自省を忘れたらいとも簡単に有害な思想に染まることを示しています。
迷ったときに立ち戻る場所があれば、少なくとも大きく間違えることはないと思うのです。

定義の修整もありがとうございます。

私は、例えば性犯罪被害者が男性全体を嫌悪するようになってしまうのは(論理的とは言えないし、ほとんどの男性にはとばっちりとはいえ)心情的には理解できますし、その嫌悪は理不尽なもので男性が皆そうではないと分かっているならば、フェミニズムとも両立するかな?と思ったのです。

理想を実現する上での障壁になる存在ですか。確かにそうかもしれません。
フェミニストに無謬性を求めて「自称」と切り捨てられる範囲が大きくなってしまうと、それはそれで問題かなと思ったのです。
何しろ、私自身もどうすれば理想の実現に近づくのかはっきりと分かっていないので……






>いつかの宇宙人さん

すみません、表面的な平等に危機感を覚える気持ちにすごく共感したので…
主婦も一つの選択で、非難されるようなことがあってはなりません。
お金を稼がなければ自立したとは言えないという考え方はおかしいですよね…

「女ならば〇〇だろう」という偏見に抵抗し、「ばりばり働きたい女性『も』いるので尊重しましょう」というのがフェミニズムで、誰も彼もを働かせようとするのは、また別の圧力でしかないと思います。

フェミニズムに共感しない女性ももちろんいるわけで、そのような女性も含めて生きやすい社会を作っていかなければ、本当のフェミニズムとは言えないと思います。

11. Fully Hatter さん
[2020/08/04 23:38:17 JST(UTC+09:00)]

> いつかの宇宙人 さん
古参のお方ですね! いつもありがとうございます。

コメントの内容について、完全同意です。
仕事がしたい女性、専業主婦の女性、だれもが自分に自信を持てる社会を我々は作っていくべきですね。
(コメントを拝見する限り、いつかの宇宙人さんは素晴らしいフェミニストだと思います!)

男女の平等についての考えも、非常に重要な点だと思います。
本文では明言されていませんが、わたしもいつかの宇宙人さんとは同じ考えです。

--- Fully Hatter の「フェミニスト」の定義 ---
男女間には驚くほど多くの差異があり、そのすべてを正しく認識することは難しい。
が、それを自覚し、自分の誤った先入観に気づくたびにそれを修正していく姿勢を持つ人は (本人の自覚の有無によらず) すべて「フェミニスト」である。
フェミニストは「男性も女性も政治的、経済的そして社会的に平等の権利と機会を持つ世界」を目指す。
-----------------------------------------

上記のわたしの定義にも「平等」という言葉を使っていますが、これは必ずしも「男女で同じ収入」であったり「男女で同じ採用数」を意味しません。
男女の適正や嗜好によって、男性が有利な職もあれば女性が有利な職ももちろんあるからです。
男女間の無数の差異に目を向け、誤った認識があれば都度修正していく姿勢こそが、最も重要なことではないかな、と思います。

12. Fully Hatter さん
[2020/08/05 00:07:27 JST(UTC+09:00)]

> yuki さん
わたしは、「理想の世界をどう実現するか」は意外とシンプルな問題だと思っています。
このページの目標でも書いていますが、少なくとも直近では、理想世界の実現のためには『「フェミニスト」を明確に定義し、その「フェミニスト」の人数を増やすこと』で十分だと思います。

この達成度合いは容易に観測可能 (ある程度の数の人に「あなたはフェミニストですか?」と聞けば良いだけ) なので、方法論のそれぞれについてその成否をすぐに検証できるのも大きいですね。

大きく人類を「フェミニスト」「フェミニスト予備軍」「反フェミニスト」の 3つに分類した場合、その大半は「フェミニスト予備軍」だと思います。
「反フェミニスト」の考え方を変えるのは容易ではありませんが、「フェミニスト予備軍」を「フェミニスト」に変えるのは (フェミニズムはとっても素晴らしい思想なので) そう難しいことではないと思っています。
特に最近は、こういう考えを受け入れる準備がすでにできているけれども、ただまだフェミニズムについてあまり知らないだけの人が多い印象です。

ですので、我々の直近の具体的な方策としては、誠実な方法でフェミニズムの思想を「フェミニスト予備軍」へと拡散し、「自称フェミニスト」は「フェミニスト」ではないことを強調する、で十分ではないでしょうか。

■ 補足 (『「フェミニスト」を明確に定義』は本文と矛盾するのでは?)
本文中で「フェミニズムの理論は多様である」という趣旨の記載をしていますが、わたしはフェミニズムは定義可能だと思っています。(フェミニズムが一枚岩でないことは、必ずしもそれを定義できないことを意味しません)

というよりも、理想世界の実現のためにはフェミニズムの明確な定義は必須だと思っています。
明確な定義があったほうが明らかにいろいろと都合がよいので。

■ ちょっと気になった点 (「性犯罪被害者」のくだりについて)
わたしは、性犯罪被害者といえども、「自称フェミニスト」の定義に含まれる方は「フェミニスト」に含めるべきではない、と考えています。
ですがもちろん、嫌悪感があってもそれを表明せず、男性がみなそうではないと分かっている方であれば、その方は十分素敵なフェミニストだと思います。

理由は (繰り返しになってしまいますが) フェミニズムを実現するためには男性の協力が必須だからです。
男性全体への嫌悪は明らかにフェミニズムの思想と反するので、そこを情で OK としてしまうと思想として破綻すると思います。

どなたでもご自由に書き込んでください。
Fully Hatter が愛をもってご返事いたします。


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