自由に生きてはいけない

〜「自由」の本当の形について〜
コメント 18

きっとキミは思っただろう。なんだこのタイトルは! と。
そんなわけがないだろう、と。

かの有名なホリエモンだって「やりたいことだけをやれ」と言っているではないか。
「不自由」よりも「自由」の方がいいに決まっている。

そう、私はあなたにそう思ってもらうためにこんなタイトルをつけたのだ。
もう一度言おう。

「自由」に生きてはいけない。

ロジャー・フェデラーを想像してほしい。
(彼はプロ・テニスプレイヤーです。テニス界の生ける神、的なポジションの人です。マイケル・ジョーダンとかマイケル・ジャクソンとかのテニス版です)

彼は誰よりも「自由」にコートを駆け回り、あらゆる球を「自由」自在に繰り出します。
でもよく観察してみてください。
彼は本当に「自由」に動いているのでしょうか。
いえ、決してそうではないはずです。
よくよく考えてみると、ある意味で彼はかなり「不自由」に動いているのではないでしょうか。

彼の洗練されたサービス・フォームを見てみてください。
毎回毎回コピペしてるのではと疑うほどの、まったく同じフォームでサービスを繰り出しています。
これは「不自由」の極地です。
もちろんサービスだけでなく、プロの動きというものはほとんどの場合極めて自由度の低いものであるはずです。
そして、その「不自由」な動きを見て、私たちは美しいなと思うわけです。

では一方で、赤ちゃんの動きを見てみましょう。

楽しそうに動いていますね。
手足をバタバタして、元気におもちゃを叩いたりしています。
これぞ「自由」の極地です。
その結果この人に何ができるでしょうか。
自分で立つこともままならないですね。

なにが言いたいか伝わってきました?

もう一つ例をあげましょう。

たとえばあなたは海外旅行をしています。
そして、列車にでも乗って遠くへ行ってみようか、と決意します。
あなたは列車の中で、手には電波の繋がらないスマホと、本だけがあります。

この状況は極めて「不自由」といえるでしょう。
だって行動範囲は列車の中だけ、スマホは使えない、やることといったら本を読むことくらいですからね。

あなたはいつもスマホばかり見ている人間でしたが、残念ながら今はスマホは使えません。
そんなとき、あなたはもしかしたら、普段はあまり読まない本というものを、せっかくだし読んでみようか、などと思うかもしれません。
こんな「不自由」な環境に身をおいたからこそ彼は、新たな「本を読む」という「自由」を手に入れることができました。

ダメ押しでもう一つ例を。

目が見えない人がいます。
彼はとても「不自由」でしょう。
だって何をやるにしても誰かの助けが必要ですから。
ですが彼は目が見えない分、聴覚や嗅覚、触覚が目が見える人よりも研ぎ澄まされます。
視力が頼りにならない人にとっては、聴覚や嗅覚がその人の「目」になるわけです。
たとえば彼らは、街の匂いだけでそこが渋谷なのか新宿なのか、駅からどのくらい離れているのかを把握できます。

何が言いたいかというと、「不自由」だと我々が思っていることは、実はある意味ではとても「自由」である、ということです。
ほんとうの「自由」は「不自由」の皮をかぶっています。
みんなはそれを「不自由」だと言うでしょうが、もしかしたらその「不自由」こそが、あなたにとってのほんとうの「自由」なのかもしれないですね。


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キング牧師
最大の悲劇は、悪人の圧制や残酷さではなく、善人の沈黙である。


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Comments

1. 小野瀬 さん
[2017/09/14 20:51:00 JST(UTC+09:00)]

本物の自由とは、自由への意志があるものが不自由を感じるものを超越した後に訪れる。ただ、本人が不自由を超越しなくていいのであればそれでも別にいい。
自由だな、この宇宙に生きるというのは。

ちなみに、自由に思考を広げるのに不自由な余計な感情・思い込みを超越するにはアサジョーリの提唱した「脱同一化」に至るための心理療法・サンコセンシスがオススメ。これはめちゃくちゃ効きました。
まあ、自由を求めないならやらないほうがいいけど。

2. Fully Hatter さん
[2017/09/14 21:20:00 JST(UTC+09:00)]

>> 小野瀬 さん
日本語でおk

3. Fully Hatter さん
[2017/09/14 21:30:00 JST(UTC+09:00)]

以下 Fully Hatter のわがまま。

専門用語とか一般的でないことは、できれば(軽くでいいので) 説明が欲しい!
それが面倒なら、せめて参考になるWebサイトのリンクがほしい!

参考図書とかはなるべく避けて!
(本屋に行って探すコストが Fully Hatter にとってはとても高い。反応が一年後になってもいいならおっけー。)

4. 小野瀬 さん
[2017/09/15 18:53:00 JST(UTC+09:00)]

すまん最近俺レベル上がりすぎて君の理解力を理解できてなかった。
思考の不自由を感じることができないという状態、それは自分の中に余計な思い込み・固定観念があると認識できていない状態とも言える。狭いプールで「最高!超泳げる!」って言ってるのを海の上から見てるイメージ。いや何言ってんだよって。めっちゃ狭いじゃんそこって。塩素臭くね?と言いたくなる感じ。

まあ俺自身その小さいプールこそが世界と思っていた人間の一人だけど、めちゃくちゃ不自由を感じていた。監視員いるし、飛び込みできないし、プールに入ってる人が多すぎて泳ぐ時いちいち周り見なきゃいけないし、水着の綺麗なお姉さん見ただけで軽蔑の目で見てくる人いるし。人が多いから泳ぐ向きも決まっていて止まることもできない。ゴーグル落としても立ち止まる暇もない。そして誰もゴーグルを拾ってくれないから、水の中で目を開けることができないまま決められた方向に進まないといけない。目が開けないから、自分の下にある前の人が落としたゴーグルを拾わないようになり、気づいたら決まった方向に泳ぐ多数の一部になり、不自由を感じている自分を誤魔化す言い訳を考えるようになる。いいじゃんって。みんなそうだし、自分だけ不満を言うのはおかしい、だから不自由を感じていることから目を背けるようになる。

そうすると体にもガタがきて、小さいプールで泳ぐことを諦めるしかなくなる。プールから退場してフラフラあてもなくさまよっていると、広大な海があることに気づく。人の目を気にしなくてもいいし、なんなら海の中でおしっこしたっていい。そして、海に来ている人の方が実は多いことに気づく。さらに、プールでは気づけなかった水の中で自分にできることが海ではすぐに見つかる。そして、海の深さに心を惹かれるようになる。

5. 小野瀬 さん
[2017/09/15 18:53:10 JST(UTC+09:00)]

小さいプールに甘んじていてはいけない。正しく不自由を感じ、そしてそれを認め、不自由を克服する勇気を持つことこそが自由な海への第一歩となる。
それに便利なのが、脱同一化。精神病患者ではなく、ある程度健康な心身を持った人向けの心理学。余計なしがらみを吹き飛ばす、常識や固定観念を…知らないうちに身につけてしまっていたものや教育で植え付けられたものも全て…吹き飛ばす、とても便利なもんです。以上、解説でした。

そしていつの日か、海も狭いと感じる日が来るのかもしれないな。もしかしたら、俺が海だと思っているものも実はプールなのかもしれない。俺は、その時が楽しみで仕方がない。

6. 小野瀬 さん
[2017/09/15 18:59:00 JST(UTC+09:00)]

ググれや!アサジョーリ 脱同一化 で出て来るわ!

新・臨床心理学事典 心の諸問題・治療法と修養法・霊性

これ読めば他も色々分かるからオススメ。

7. Fully Hatter さん
[2017/09/15 19:20:00 JST(UTC+09:00)]

>> 小野瀬 さん
いいじゃん!
実は俺も、そんな感じのことを書こうと思ってた。
(その手間が省けた!笑)

受け入れるべき不自由がある一方で、ほんとは不自由じゃないのに、自分がそう思い込んでるだけで不自由な生活をしてるのはもったいないね。

不自由を見つけたときに、それが自分にとって受け入れるべき不自由なのか、克服すべき不自由なのか、見極めるのって難しいよね。

8. Fully Hatter さん
[2017/09/15 19:22:00 JST(UTC+09:00)]

>> 小野瀬 さん
サンコセンシスってググって、何も出てこなくて、あきらめた笑

9. 不自由な私? さん
[2017/09/15 19:58:00 JST(UTC+09:00)]

不自由を感じて自由がわかる。
でも自由には責任がともなうと中学生の頃先生が言ってたな。
生まれたのも死ぬ自由も私にはないと思う。
不自由でも考え方やものの見方で幸せを感じるように生きていけたらそれでいいかなと思っています。

10. Fully Hatter さん
[2017/09/15 23:15:00 JST(UTC+09:00)]

>> 不自由な私? さん
自由には責任がともなう!!
次、そんな感じのこと書く予定でした!笑

『不自由でも考え方やものの見方で幸せを感じるように生きていけたらそれでいいかなと思っています。』
自分もそう生きたいです。

11. Fully Hatter さん
[2017/09/15 23:18:00 JST(UTC+09:00)]

>> 読んでくれている皆様
もし、自分が過去に書いたコメントを少し修正したい(もしくは消したい) などあれば連絡ください。すぐ修正します。
メールでも Twitter のメッセージでも、もしくは掲示板でも、その旨を書いてくれれば対応します。

今後ともよろしくお願いします!

12. 小野瀬 さん
[2017/09/16 20:32:00 JST(UTC+09:00)]

最高の自分になることに邪魔なものは全て受け入れざるべき不自由だと思っている。そしてそういう人こそ賞賛されるべきだと思うけど、多くの場合不自由に甘んじる大衆の嫉妬で潰され、最悪の場合病人扱いされる。俺はそういう場所を知ってるけど、まさに地獄とはそのことだよなと思う。
アサジョーリのやつは 脱同一化のワーク でググりなさい。

13. Fully Hatter さん
[2017/09/16 20:42:00 JST(UTC+09:00)]

>> 小野瀬 さん
ほーい

14. あっちゃん さん
[2020/07/06 08:28:46 JST(UTC+09:00)]

不自由さが新たなる自由への道を拓く、という視点、素晴らしいと思います。

ただその一方で伝えなくてはならないのは、「どんな不自由な状況であっても、人は自由になれる」というメッセージだと思います。

旅行者の例で行くと、電車を降りたり、使えるスマホを調達したり、本があるけど読まない選択肢もあるはずです。

なぜこんな当たり前のことをわわざわざ言うかというと「自由に生きてはいけない」というこの記事の言葉によって、さらに苦しめられる人がいるのではと想像するからです。

ブラック企業で働いていながら辞められない人、DVに苦しんでいても抜けられない人などは想像に難くないでしょう。「私は自由に生きてはいけないんだ」と洗脳されて生きているに近い人も世の中には存在します。

さらには、目の見えない人の立場をちょっと想像してみていただくと、「あなたは自由に生きてはいけない」という言葉を、そういう人たちに面と向かってFully Hatterさんは言えるのでしょうか?

本質的には、私もFully Hatterさんも同じことを語っているに過ぎないのですが、言葉はうまく使わなければ、諸刃の剣となってしまい、武器になるものが自らを傷つける結果になり得ると思っています。インターネットのような不特定多数の人の目に晒さられる場であれば特に。

不自由さの中にある自由について語るのという着眼点は素晴らしいと思うのですが、そうであれば、不自由さの外にある自由についても語らなければ片手落ちになってしまうのではないかと思った次第です。

15. Fully Hatter さん
[2020/07/06 22:58:19 JST(UTC+09:00)]

> あっちゃん さん
ご指摘の内容は認識しています。(小野瀬さんも同様の趣旨のコメントをしていますね)
実は、その観点からの「自由」についてもこのページの次に書く予定でした。
が、その部分を小野瀬さんがこのページへのコメント (No.4, 5) で、素晴らしいたとえ話とともに書いてくれたので、その必要がなくなった、という経緯になります。

16. あっちゃん さん
[2020/07/08 17:39:25 JST(UTC+09:00)]

>Fully Hatterさん
お返事ありがとうございます。

>小野瀬さんも同様の趣旨のコメントをしていますね
あ、そういうことでしたか。コメントを再度読み直してよくわかりました。ありがとうございます。(理解力が..)

>小野瀬さんがこのページへのコメント (No.4, 5) で、素晴らしいたとえ話とともに書いてくれたので、その必要がなくなった

確かに小野瀬さんの比喩、つい引き込まれてしまうような表現で、すごく素敵でした。
その反面、個人的には、書かないのもなんだか勿体ない気がします。笑

確かにムダかも知れませんが、そんなこといったらすべての著作活動はムダとも言えるし(笑)、もっと言えば、今回私がFully Hatterさんの言葉を介して小野瀬さんの言葉を理解できた、みたいなことも往々にしてあるので(そして私は両者の素晴らしさを知れるので)、もっと書き散らしてくださってもいいのになー、なんて思ったりしました。もっとも頭が良くないから、同じ事について、色々な人が違う視点から書かれたものを繰り返し読むのに意義を感じるのかも知れませんが、読んでみたかったです。

書くことに興味がないの力説しても仕方ないですね。ごめんなさい。笑

ありがとうございました。

17. Fully Hatter さん
[2020/07/08 18:02:57 JST(UTC+09:00)]

> あっちゃん さん
わたしは完璧主義みたいなとこがあって、自分の納得のいくものしか載せたくない (無駄な部分はなるべく省きたい)、のような考えが根底にあるんですよね笑
でも、経済合理性の観点からはバンバン書き散らかしたほうが明らかに得なので、ちょっと悩みどころです。
もう少しして、このサイト関連である程度の収益化ができてきたらバンバン書き散らかすかもしれません。

しばらくは超ローペースでの投稿になりますが、末永くお付き合いいただけると幸いです。

18. あっちゃん さん
[2020/07/08 21:56:04 JST(UTC+09:00)]

>Fully Hatterさん
こちらこそ、勝手なことばかりすみません(笑)

あれこれ言うのは易し、やるのは難し、十分存じ上げております…

また楽しみに拝見してます。

どなたでもご自由に書き込んでください。
Fully Hatter が愛をもってご返事いたします。


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